電験三種の理論科目は、多くの人が最初につまずく分野です。
・理論が難しすぎて挫折しそう
・計算が分からない
・何から始めればいいか分からない
そんな方に向けて、
独学・未経験から理論を突破するための勉強法
を解説します。
【電験三種 理論が難しいと言われる理由】
まず、なぜ理論が難しいのか。
理由は大きく3つあります。
■ 理由① 数学が必要
・式変形
・分数計算
・三角関数
これらが普通に出てきます。
数学が苦手な人にとっては
ここが最初の壁になります。
■ 理由② 電気の概念が見えない
電気は目に見えません。
そのため、
・電流
・電圧
・電力
といった概念を理解するのに時間がかかります。
■ 理由③ 最初に勉強する科目だから
基礎知識がゼロの状態から始まるため、
最初が一番しんどい時期になります。
【理論の勉強全体の流れ】
結論から言うと、
理論は以下の流れで勉強するのが最も効率的です。
① 基礎数学
② 理論テキスト
③ 単元別過去問
④ 年度別過去問
この順番が非常に重要です。
【理論のおすすめ勉強ステップ】
STEP1 基礎数学を最低限やる
内容:
・分数
・指数
・平方根
・式変形
全部完璧である必要はありません。
「計算に抵抗がない状態」
まで持っていけば十分です。
STEP2 理論の全体像をざっくり理解
最初から理解しようとしなくてOKです。
・まず一周
・分からなくても進む
・解こうとしない
これが重要です。
STEP3 過去問に早めに入る
理論は
👉 過去問が最強の教材
です。
理由:
・試験形式に慣れる
・頻出問題が分かる
最初は解こうとはせず、
「電磁気が難しそうだな」「三相交流ではこの公式をよく使うな」とか
その程度で良いです。
STEP4 復習を回す
ここが合否を分けます。
理論は
👉 復習量=理解度
です。
この時にやってしまいがちなのが、
偶然解けた問題を正解扱いにしてしまうことです。
「多分これかな?」で正解できた問題は解けたとは言えません。
例えば、文章問題の正誤においては
各選択肢の正誤を答えられる必要が有ります。
確信を持って答えられない場合、必ず復習しましょう。
文章問題の解答をそのまま覚えてしまうと、変化球が来た時に対応できないためです。
【理論でつまずくポイント】
数学が分からない
問題文が理解できない
公式の意味が分からない
数学が分からない
こちらに関しては、勉強していて非常に役に立った教材があります。
理論科目を勉強するうえで、数学で「あれ、どうだったかな?」と思ったときに
すぐに確認できるよう手元に置いておりました。
この教材に関する記事はこちらです。(執筆中)
問題文が理解できない
問題文が理解できない場合は、単語そのものの理解が不足しています。
また、文章を一度に理解しようとすると訳が分からなくなりがちです。
単語を一つずつ、理解できているか確認しながら考えてみると良いです。
例えば、静電気に関する基本的な問題です。
電界の状態を仮想的な線で表したものを電気力線という。
2017 問 1 静電気 電気力線
この電気力線に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ
選べ。
(1) 同じ向きの電気力線同士は反発し合う。
(2) 電気力線は負の電荷から出て,正の電荷へ入る。
(3) 電気力線は途中で分岐したり,他の電気力線と交差したりしない。
(4) 任意の点における電気力線の密度は,その点の電界の強さを表す。
(5) 任意の点における電界の向きは,電気力線の接線の向きと一致する
問題文を理解できているかどうかを判断する方法があります。
それは、単語の意味をきちんと説明ができるかどうかです。
例えば
・電界について
・電界の強さとは何か、何をもって強弱を判断するのか
・電荷とは何か
・正の電荷、負の電荷の違いは何か
自分なりに説明せることができるかという事です。
この辺りの単語の意味を確実に抑える事がとても大切です。
公式の意味が分からない
基本的な公式はまず、暗記しましょう。
覚えていないと、そもそも話になりません。
もちろん、式の成り立ちを理解できれば非常に心強いです。
ただ、勉強初期の内は、式の意味まで理解するのは骨が折れます。
最初は公式をとりあえず覚えてしまう。
後は、演習問題を重ねていくうちに、
いろんな角度からの出題で計算の方法を身に付けていけば
自ずと公式の意味が分かってくるはずです。僕の場合はそうでした。
【理論の過去問の使い方】
理論を攻略できるかどうかは、
過去問の使い方でほぼ決まると言っても過言ではありません。
ここでは、僕が実際に行っていた方法を紹介します。
最初は単元別
次に年度別
間違えた問題を重点復習
最初は単元別
テキストで全体の概要を掴めたら、まずは単元別の過去問に取り組むのがお勧めです。
理由としては、いくつかあります。
・1つの分野に対して集中的に取り組むことが出来る
・その分野を解くのに必要な公式、出題パターンが分かるようになる
・頭の切り替える必要がない、知識が混ざらない
・その分野に対して、難問か基礎的な問題なのか見極めやすくなる
・理解が深まり、解ける問題が増えるので自信がつく(重要)
メリットが沢山あります。
僕の場合、最初に静電気の過去問から勉強しました。
勉強の流れとしては
①テキストを1周眺める
②静電気についてさらっとテキストを見る
③静電気の過去問一覧を眺める(解こうとしない、解答を見て出題パターン、静電気ではこの公式がよく使われるな、という確認)
④実際に過去問を解いてみる。
解けない問題は潔く答えを見る。時間をかけ過ぎない。
解けなかった問題はなぜ解けなかったのか、原因をエクセルで管理する←エクセル勉強法については別記事で解説します。
⑤復習&復習
⑥静電気分野の7割方が解けるようになったら次の分野へ進む
⑦①へ戻る、繰り返し
⑧時々、忘れないように勉強した分野を解きなおす
僕が勉強していて思ったのが、電験三種の勉強は「皿回し」に似ているなと感じました。
どういうことかと言うと、
「直流」「交流」「電磁気」「静電気」…というお皿があって
試験本番では全ての皿を割らないように回すことが出来れば合格。
まずは、1枚の皿を確実に回せるようにする。
いきなり全部の皿を回そうと躍起になるのではなく、
回せるようになってきたら、新しい皿を回すようにする。
新しいお皿ばかりに気を取られていると、古いお皿は落として割れてしまう(忘れてしまう)
お皿の数を少しずつ増やしながら…でも古い皿を割らないように時々面倒を見てあげる…
最終的にすべてのお皿を、試験日までに回し続けることが出来れば、合格できる。
そんなイメージで勉強してました。
次に年度別
ようやく、全ての範囲を6~7割解けるようになったとします。
この段階で折り返し地点、といった具合でしょうか。
先ほどの皿回しで例えると
「何とか全ての皿を回すことができる、でもすぐにどれかの皿が落ちてしまう」状態です。
でも骨格、軸は大方出来上がっているので、ここからは肉付けの作業になります。
年度別になると、出題される分野の順番がバラバラに散らばっているので
思っている以上に難しく感じると思います。
僕の場合、年度別を行う時は
直近の2年は敢えて使わず、試験直前用の模試として残しておきました。
年度別で問題を解く場合のポイントは以下の通りです。
・時間を測り記録を取る(ただし、時間は気にしない)
・分からない問題でもすぐに答えをみない。少しで良いので考えてみる。
・間違えた問題を必ず記録する
・時間を測り記録を取る(ただし、時間は気にしない)
ここからは、時間を意識しましょう。
もっと言えば、模試を受けているつもりで解いていきましょう。
ただ、最初の内は時間内に解けきれなくても構いません。
とりあえず、「解き切って」みましょう。
時間と理解力は関連性が有ります。
内容を理解していれば、ほぼノンストップで解くことができるからです。
参考までに、僕は電力科目の試験直前に
令和4年度上期を模試で受けましたが40分で全部解き切りました。
初見で点数は80点だったので、及第点、と言ったところでしょうか。
・分からない問題でもすぐに答えをみない。少しで良いので考えてみる。
年度別に勉強を移行した場合
僕は、頭を抱えながら悩む時間も多少必要だと思っています。
本試験で悩んだとき少しでも、正答率を上げるためです。
答えが全然違っていても良いので自分なりに答えを捻りだすのも大事です。
精神論的な話ですが、こういった「ガッツ」も必要ですね。
僕の場合、法規科目のB問題で「いやマジで分からん」問題が出されました。
かなり焦っていましたが、土壇場で「解答の数値から式を当てはめて解く」という
泥臭い方法で答えを捻りました。
試験日当日に手痛い思いをしないためにも、日ごろから
「この問題を絶対に落としてはならない」という貪欲さが必要かもしれません。
・間違えた問題を必ず記録する
間違えた問題は必ず記録を取りましょう。
間違えた問題は情報の宝庫だからです。
・計算式のミスなのか
・使用する公式が分からなかったのか
・いわゆる奇問で、解けなくても良かったのか
「単位を間違えていた」「ルート3を掛け忘れていた」
こういったことは必ずメモしましょう。
そして、次に復習するときに、解けなかった場合は解答を見ずに
自分のメモを頼りに解こうとしてください。
めちゃくちゃ大事な事ですからね。
「自分のメモを見ても解けなかった」場合はチャンスです。
さらにメモを加えて、次は解けるようにしてください。
最終目標は、間違えた問題は解説を見ずに
自分のメモを見れば解けるようにすることです。
間違えた問題を重点復習
上の内容と重複しますが、とにかく復習&復習です
僕の場合、間違えた問題は必ずその日の内に復習しますし
次に勉強する際に最初に解きなおしました。
少しでも手が止まるようなら、再度復習します。
とにかく、復習の鬼になって下さい。
それくらい復習しないと、脳は覚えてくれないのです。
【理論を得点源にするコツ】
理解重視
図を書く
公式は必ず書く
理解重視
理論科目は、特に「単語や現象を自分の言葉で説明できるようにする」ことが最重要です。
まず、理論の言葉の意味を調べてみましょう
個々の現象を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系
デジタル大辞泉
つまり、理論とは説明が出来ないとダメです。
何となくの理解では、後々積みます。
原理原則を理解することが何よりも大切です。
僕の場合、「電位」「電圧」「電位差」この辺りの定義を曖昧のまま
学習を進めていたので、苦労することになりました。
電流とは?電圧とは?を小学生でも分かるように説明ができるようになると完璧です。
今思えば、人に教えることを前提にして勉強すれば学習効率が良くなっただろうなと感じます。
図を書く
やはり、人間はイメージできないものを理解するのは難しいようです。
直流回路、交流回路、計算に必要な図は面倒がらず書き出してみましょう。
凝る必要はありませんが、素早く、正確に書けると
かえって計算が楽になることもあります。
公式は必ず書く
こちらも非常に重要です。
慣れないうちは特に、とりあえず公式を書きだしましょう。
僕の場合、例えば直流回路の計算問題を解く場合は
取り合えず、使いそうな公式は全部紙に書きだしていました。
直流回路だから、キルヒホッフの式、電圧降下式、テブナンの式…
一見、非効率にも見えますが、狙いがあります。
・公式を書くことで、公式そのものを覚える
・関連する公式を書くことで、繋がりが見えてくる
・この公式のどれかを使えば、解ける
公式を書くことで、公式そのものを覚える
最初は特に、覚える公式が多すぎて訳が分からなくなります。
なので、公式を覚えるために、毎回毎回書いていました。
最終的に、自動書記のごとくパッと書けるようになれば非常に強いです。
関連する公式を書くことで、繋がりが見えてくる
関連する公式を芋づる式で書くことによって
相互の理解が深まります。
持っている知識が線と線で繋がるような感覚ですね。
この公式のどれかを使えば、解けるという一種の安心感
電験三種においては、公式を覚える→式変形で大体解けます。
なので、使いそうな公式をとりあえず、書きだしておけば
必ず導出できるようになっています。
料理で例えると、最初に使いそうな道具を並べておく。そして
必要な道具を見極めて、調理する、といった感じです。
非効率では?という話
もちろん、毎回公式を書くのは時間もかかる大変です。
ただ、数をこなしていくうちに
使うべき「公式」が分かるようになってきます。
料理で言うと、必要な道具が分かってくる感覚です。
もちろん、公式を覚えて自信がついた場合は、公式をいちいち書く必要はありません。
勉強初期の方法として使ってください。
【よくある失敗】
・丸暗記
・最初で挫折
・復習不足
・分からない問題で止まりすぎる
この4つが王道です。
【まとめ】
・理論は最初が一番きつい
・数学を避けない
・復習を徹底する
理論は必ず突破できます。
最初は苦しいですが、
ある日突然「分かる瞬間」がやってきます。
そこまで、地道に続けてみてください。

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